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多気町の空き家バンクで家を買う前に、建築会社が見るところ

空き家バンクの家は、物件の価格より、直す費用で総額が決まります。契約の前に見ておきたいのは、屋根、床下、柱の傾き、水まわりの配管、浄化槽、シロアリの6か所です。多気町の空き家バンクは、町が交渉や契約に入らない仕組みなので、家の状態は買う側で確かめることになります。

安い家ほど、直す費用を先に知っておく

空き家バンクには、新築の土地代にも届かない参考価格の家が並びます。ところが、何年も閉めきっていた家は、住んでいる家とは違う傷み方をしています。給湯器は動かず、床は沈み、雨漏りのしみが天井に残っている。住める状態にする工事が300万円で済む家もあれば、1,000万円かかる家もあります。

同じ価格の2軒でも、総額は倍ほど変わります。買うかどうかの判断は、物件の価格と直す費用を足した金額でするのがおすすめです。

多気町の空き家バンクの仕組み

多気町の空き家バンクは、町内の空き家を売りたい・貸したい所有者と、多気町に住みたい方、空き家で事業をしたい方をつなぐ町の制度です。窓口は多気町役場の環境生活課 環境生活係(電話 0598-38-1152)。町の公式サイトの物件一覧には、2026年6月の時点で16件が載っています。

町の「多気町空き家情報登録制度実施要綱」と公式サイトによると、町の役割は次のとおりです。

項目内容
町がすること物件と利用希望者の登録、情報の提供、所有者への連絡、空き家のある自治会との連絡調整、移住定住アドバイザーの指名
町がしないこと交渉、売買や賃貸借の契約のあっせん・仲介。契約のトラブルは当事者どうしで解決する決まりです
契約の方法所有者と直接交渉するか、仲介の登録業者に依頼するか。業者に依頼するときは法定の仲介手数料がかかります
登録の期間物件も利用希望者も、登録から2年。再登録できます

不動産会社の仲介では、建物の状態について説明を受ける機会があります。所有者と直接やり取りする形を選ぶと、その説明がありません。家の傷みを見る役は、買う側が自分で用意することになります。

要綱には、利用登録をした方は自治会に入り、集落の決まりに沿って暮らすよう努める、という一文もあります。移り住んだ方の経験を聞ける移住定住アドバイザーの制度があるので、地域の様子は町に尋ねてみてください。

空き家バンクの家の良さと、気をつけること

良さは、価格と広さです。敷地が広く、倉庫や畑、駐車場が何台分も付いた家が、新築の土地代より安く手に入ります。太い梁や縁側、続き間のある家は、今から建てようとしても同じものはつくれません。

気をつけることは3つあります。

  • 参考価格は建物の状態を保証するものではありません。現状のまま引き渡されるのが普通です
  • 家財が残ったままの家が多く、片付けの費用と手間がかかります
  • 農地が付いている家は、農地法の手続きが要ります。町の公式サイトにも、法令の制限への対応は当事者の責任と書かれています

内見で建築会社が見る6か所

屋根

瓦のずれ、棟のゆがみ、谷板金のさび。室内では天井と押入れの中のしみを見ます。しみが乾いているか湿っているかで、今も漏れているかが分かります。

床下

畳を1枚上げ、床下点検口や台所の床下収納から中をのぞきます。土が湿っている、束が浮いている、根太が黒ずんでいる家は、床の張り替えに加えて床下の湿気対策が要ります。

柱の傾きと建具

柱に水平器を当て、ふすまと障子を全部動かします。開け閉めが重い、すき間が上と下で違う、という場所が一方向に集まっていれば、基礎か土台が沈んでいます。

水まわりの配管

蛇口を開けて水の色と勢いを見ます。止水栓が閉まったままの家は、開けてもらえるよう事前に頼んでおきます。排水は、流した水が外の桝まで届くかを確かめます。給湯器は、製造年のラベルを見れば交換の要否が分かります。

浄化槽と下水

くみ取り、単独浄化槽、合併浄化槽、下水道のどれなのかで、水まわりの工事の金額が変わります。長く止まっていた浄化槽は、ブロワーの交換や清掃が必要です。

シロアリ

浴室の入口、玄関の柱の根元、勝手口まわりを、ドライバーの柄でたたいて音を聞きます。被害が土台で止まっているか、柱を上がっているかで、工事の範囲が大きく変わります。

6か所を見ると、その家がどの予算の帯に入るかが見えてきます。

ご予算の目安できること
300万円まで水まわり1〜2か所の交換、傷んだ床の張り替え、壁紙、畳、給湯器
500万円前後水まわり一式、床と内装の全面、屋根の部分修理、シロアリ駆除
1,000万円前後上に加えて、耐震補強、断熱、間取りの変更、外壁
1,500万円〜骨組みだけ残す全面改修。古民家再生

利用登録から入居までの手順

  1. 利用希望の登録。利用希望登録申込書(様式第8号)と誓約書(様式第9号)を町に出します。様式は町の公式サイトから取り出せます
  2. 登録完了の通知が届きます
  3. 物件一覧から気になる家を選び、環境生活課に見学を申し込みます
  4. 内見。ここに建築会社が同行すると、その週のうちに直す費用の目安が分かります
  5. 交渉の申込み。交渉申込書(様式第14号)を町に出すと、町から所有者へ連絡が入ります
  6. 所有者との交渉と契約。直接か、仲介の登録業者を通すかを選びます
  7. 助成の確認と申請、工事、入居

内見の日が決まったら、その日のうちに同行を頼んでおくと、見学が1回で済みます。

つまずきやすいところ

内見が1回、30分で終わってしまう

所有者や町の担当の方の都合で、内見の時間は限られます。間取りと日当たりを見ているうちに終わり、床下も屋根裏も見ないまま、という話をよく聞きます。見る場所と順番を先に決めておくと、30分でも6か所は回れます。

契約のあとで、直す場所が見つかる

現状のままの引き渡しでは、あとから見つかった雨漏りやシロアリを売り主に直してもらうのは難しくなります。契約書にどう書くかは、仲介の業者か司法書士に確かめてください。

助成の条件を、引っ越してから知る

多気町には、空き家バンクで家を購入または賃借して移り住む方への移住定住支援助成金があります。町の公式サイトによると、額は1世帯20万円、中学生以下のお子さん1人につき10万円の加算。永住の意志があり、移住の日から5年以上続けて多気町に住むこと、移住の日に世帯主が満50歳未満であることが条件で、修繕や改修の費用にも充てられます。空き家を事業に使う方には、1件5万円の空き家利活用助成金があります。申請の時期と必要な書類は、契約の前に環境生活課に確かめておくと安心です。

多気町の建築会社としてできること

有限会社仁コーポレーションは、多気町に事務所を置く建築会社です。空き家バンクの内見に建築士が同行し、6か所を見たうえで、住むために必要な工事と費用の目安をその週のうちにお伝えします。同行は無料で、買わないと決める材料に使っていただいてかまいません。

役場が近いので、助成の確認や書類の提出はその日のうちに動けます。遠方にお住まいの方には、写真と動画で家の状態をお送りし、打ち合わせはビデオ通話で行います。購入から工事までの間は、月1回の巡回で家の風通しと見回りもお引き受けします。

よくある質問

多気町の空き家バンクは、町外に住んでいても登録できますか

できます。要綱では、多気町内で定住または交流を目的に空き家の購入や賃借を希望する方が対象です。申込書の様式は町の公式サイトにあり、提出の方法は環境生活課にお尋ねください。

町は、価格の交渉や契約を手伝ってくれますか

町は交渉と契約に直接は関わりません。所有者と直接話すか、仲介の登録業者に依頼するかを選びます。契約の書類に不安がある方は、仲介の業者を通す形をおすすめします。

まだ利用登録をしていません。先に相談してもいいですか

かまいません。物件一覧を見て気になる家があれば、登録番号を教えてください。外から見える範囲で屋根と外壁の様子をお伝えできます。

買ったあと、すぐには住めない家でも大丈夫ですか

大丈夫です。雨漏りとシロアリだけ先に止め、残りの工事は住む時期に合わせて進める方法があります。工事が始まるまでは、空き家管理で家を見ておきます。

内見の同行に、費用はかかりますか

かかりません。多気町のほか、松阪市、伊勢市、明和町、大台町、玉城町、度会町の空き家バンクの家にも伺っています。

気になる家があれば、内見の日を教えてください

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